2ちゃんねるの転載禁止と著作物利用の限界

 

最近のビジネスモデルには、他人の著作物・著作権を利用してアクセスを集めて、広告収入を得るものがある。まだ記憶に新しいニュースが「2ちゃんねるのおまとめサイトの転載禁止」である。

2ちゃんねるのおまとめサイトとは、「ハムスター速報」に代表されるように、2ちゃんねるのレスを抽出して転載し、広告収入を得ているようなサイトである。2ちゃんねるのおまとめサイトの禁止の理由は、「第3者に迷惑をかけ謝罪しない人物に2chの著作物を使われることは、不利益が大きいため、下記のURLにおける2chの著作物の利用を禁止します。」とのことである。

また、おまとめサイトは、アフィリエイト報酬のためのステルスマーケティングや無断転載・事実のねつ造について以前から問題となっていた。このような2ちゃんねるの転載禁止については法的効力はあるのだろうか?2ちゃんねるの書き込みの際の注意点から掘り下げてみよう。

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【投稿確認】

  • 投稿者は、投稿に関して発生する責任が全て投稿者に帰すことを承諾します。
  • 投稿者は、話題と無関係な広告の投稿に関して、相応の費用を支払うことを承諾します
  • 投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権、(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利も含む)その他の権利につき(第三者に対して再許諾する権利を含みます。)、掲示板運営者に対し、無償で譲渡することを承諾します。ただし、投稿が別に定める削除ガイドラインに該当する場合、投稿に関する知的財産権その他の権利、義務は一定期間投稿者に留保されます。
  • 掲示板運営者は、投稿者に対して日本国内外において無償で非独占的に複製、公衆送信、頒布及び翻訳する権利を投稿者に許諾します。また、投稿者は掲示板運営者が指定する第三者に対して、一切の権利(第三者に対して再許諾する権利を含みます)を許諾しないことを承諾します。
  • 投稿者は、掲示板運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を一切行使しないことを承諾します。

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下線部のとおり、基本的には著作権は2ちゃんねるに譲渡されているため著作物であるカキコミの利用は2ちゃんねるに委ねられていると言えるだろう。

ここで2ちゃんねるには自由利用マークがついていることから、転載については問題ないという意見が見られる。しかし、「自由利用マーク」とは、著作物を創った人(著作者)が,自分の著作物を他人に自由に使ってもらってよいと考える場合に,その意思を表示するためのマークです。「自由利用マーク」は、基本的には営利の利用が想定されていないため、2ちゃんねるも営利利用の転載を禁止していると考えられる。

このように、2ちゃんねるのおまとめサイトのビジネスモデルは、2ちゃんねるの記事を収集して転載してアクセスを集めて、広告収入を得るモデルである以上、2ちゃんねるに依存するビジネスモデルであると言えます。

著作物であるカキコミを著作権者である2ちゃんねるに依存している以上は不安定なビジネスモデルであったと言わざるを得ない。

このように、他人の著作物・著作権を利用する形態のビジネスモデルを行う場合には、権利関係の帰属をきっちりと押さえておくか、もしくは不安定なビジネスモデルであることをあらかじめ理解しておくべきである。

 そうすることにより、次のビジネスの手を考え付くことができるはずである。

【執筆者】 弁護士  山本俊

※本記事はIT著作権.comからの転載記事です。


2012年10月11日 18:48, 投稿者 キャピタリストナビ運営事務局

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